

色々な報告
日々、秋らしくなっていきますが、まだまだ暑い日もあり、扇風機を付けたりして、毎年毎年、衣替えが遅くなっているのを実感しています。 日々の生活で、新しい研究報告は、私たちの未来に明るい目標が持てれば嬉しいことです。①食事の状況や食品の種類と食塩摂取量の関連について生態学的瞬間評価を用いて明らかにした初めての研究が、東京大学大学院医学系研究科から発表されました。18歳から79歳の日本人男女2757人によると、1食当たりの食塩摂取量は昼食や夕食、仕事や学校が休みの日、レストラン等の外食、誰かと二人でとる食事、秋や冬に多い一方、公園や車等での食事や夏に少ない傾向が見出されました。また、特に主食の麺類や汁物、漬物、加工された肉や魚介類(蒲鉾、ソーセージ等)、アルコールを含む食事で多い一方、減塩調味料、ハーブやスパイス、酢や柑橘類の果汁は次に多く、果物を含む食事では少ない傾向がありました。主食は米飯より、パン食の方が食塩摂取量は高くなりました。②朝にたんぱく質を積極的に摂取する事を目的とした「朝タンパク協会」が2025年9月に設立されました。朝、昼、夕に分
4 日前


色々な健康食
ご存知のように世界の健康志向の高まりに沿って、色々な健康食の形態が発表されてきました。 1990年代にアメリカで提唱されたダッシュ(以下DASH)食は、高血圧予防・改善を目的とした食事方法で、今でも日本人向けのDASH食が展開されています。日本人の食塩摂取量をいかに減らしていくかを軸に、和食を中心にメニュー構成し、出汁や香辛料を使い味付けを工夫し、飽和脂肪酸、コレステロールを減らし、ミネラル(K、Ca、Mg)や食物繊維、たんぱく質を増やすレシピに尽力しました。次に2010年前後、地中海食が発表されました。2013年に和食が無形文化遺産に登録される少し以前に地中海食も登録されました。地中海沿岸の温暖な地域での食生活と和食の共通点があり、野菜(1日に2-3杯以上)、豆類(週に2回以上)を多く食べ、穀物(1日に3-4杯以上の全粒穀物)を主食とし、魚介類(週に2回以上)を良く食べました。相違点では和食は油脂を使わず、発酵食品や海藻類を使いますが、地中海食はオリーブオイル(1日25-40g)や乳製品を使い、魚介類を食べ、しかし、肉類(週に1回以下)は抑え
11月3日


懐かしい味
皆さんにとって、懐かしい味はありますか?「おふくろの味」的なものかもしれません。過日、「そんなものはありません。母親が調理不得手なもので、いつも出来合いの総菜でした」という方もいました。調理する人が母親であるとは限っていないのですが。私自身は、母の作った「鯖寿司」、1個ずつ握った物です。鯖を三枚におろして、スライスして、酢につけて、すし飯に載せて握っていくもので、時間がかかっていました。今、生きているからこそ、皆さんの懐かしい味に、健康な要素が隠れていたかもしれません。 日本が長寿国と言われたのは、「和食+チョット洋食」が実施された1975年ごろの食生活であると、東北大学の都築毅准教授が2016年に発表していました。多様な食材を少しずつ食べ、調理法も色々工夫しており、まずはマウスの実験から肥満抑制、糖尿病や脂肪肝、認知症の予防効果が示され、寿命が延びることが明らかになり、その後、マウスからヒト介入試験が行われました。 方法:実験①年齢20-70歳のBMIが24~30の軽度肥満者60人を現代食群(30人)と1975年型日本食群(30人)に分け、それ
10月27日


和食の行方
和食が2013年無形文化遺産に登録されてから、早や、10年以上経過しました。日本での和食文化が衰退するという危機感から、世界に発信するため、翌年、一般社団法人和食文化国民会議が設立され、それから出し文化を中心とした食育活動をしています。 世界から見た和食は、日本の食文化の象徴とされていますが、和食が健康に良いという論文が少ないため、同じ無形文化遺産に登録されている地中海食の方が、健康食として認識されています。いわば、地中海食の方が献立として組み入れやすいのかもしれませんので論文数も多いのです。結局、完全な和食とはどんなものであるか?日常の和食の中に、色々な料理が入ってきているのが、今の我々の食生活です。和食と地中海食の類似点は魚介類が主になり、肉類はたまに食べるという点かもしれません。和食の中で肉類を使う献立を考えた時、どんな料理が浮かびますか?肉じゃが?すき焼き?しゃぶしゃぶ?と、そんなに多くの肉料理は浮かびません。それより旬の魚介類を使用した料理が浮かぶ方が多いと思います。一方、和食の欠点としては、食塩が多くなるので、いかにして、食塩の摂取
10月19日








